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 米国が地上発射型の中距離巡航ミサイルの発射実験を行ったことを受け、国連安全保障理事会は22日、中国とロシアの要請で公開の緊急会合を開いた。米ロの中距離核戦力(INF)全廃条約が2日に失効したことが主な議題となり、中ロと欧米諸国が責任の所在をめぐり対立した。

 基調報告をした国連軍縮部門トップの中満泉・事務次長は「INF条約の失効がミサイルの開発、獲得、拡散競争の誘因になってはならない」と指摘。ミサイルの脅威と向き合うため、法的拘束力を持った国際的な取り組みを進めるよう促した。

 ロシアのポリャンスキー次席大使は、米国のミサイル発射がINF条約失効のわずか16日後だったことに触れ、「米国は一貫して、意図的に条約を破り続けていた」と批判。中国の張軍大使は地上発射型中距離ミサイルについて「中国は自国の領土内で、自衛目的でのみ配備している。米国がアジア太平洋地域に配備することに強く反対する」と語り、米国を牽制(けんせい)した。

 一方、米国のコーエン大使代行は「ロシアは10年以上にわたり、INF条約を破り続けてきた」と主張。「中ロは米国に自制を望む一方、自分たちは軍備増強を続けている」として、中国にも批判の矛先を向けた。英仏独の各代表も米国に同調した。(ニューヨーク=藤原学思)