71歳女性。70歳の時に整形外科で側彎(そくわん)症と診断され、骨を強くする薬を飲みながら経過を見ています。年齢を考えて手術はしない方針ですが、他に治療法はないのでしょうか。また、これ以上悪化させないために、何に気をつければいいのでしょうか。(大阪府・N)
拡大する岩﨑幹季さん、大阪労災病院副院長(整形外科)=堺市
Q どんな病気ですか。
A 正面から見て背骨が左または右に曲がる病気です。高齢になると前かがみの状態に曲がる後彎(こうわん)やねじれを伴うことが多く、成人脊柱(せきちゅう)変形と呼ぶことが多いです。
Q 側彎(そくわん)症は子どもに多い印象です。
A 多くを占める、原因が分からない特発性(とくはつせい)側彎症には、思春期の頃になることが多いです。ただ、この時に見逃された側彎が大人になって見つかったり、中高年になってから背骨が曲がり始めたりすることもあります。背骨を構成する骨の間にある椎間板(ついかんばん)が加齢と共に変化したり、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)によって骨が折れたりすることなどが原因で曲がることもあります。背中や腰の痛みが出ることがあります。
Q 治療法は。
A 薬で痛みを抑えたり骨粗鬆症の評価や治療をしたりします。痛みが治まらない場合や曲がりの角度が30度以上ある場合、腰の骨に後彎があって生活への支障が大きい場合には手術も考えて下さい。
Q どんな手術ですか。
A 背骨を金具で固定します。成人の場合は固定する範囲が広く、約1カ月の入院を伴う大きな手術になります。前屈しにくくなるデメリットや、足のしびれや痛みが出るリスクもあります。
Q 高齢で手術できない場合は。
A 変形が進むと足のしびれや痛み、座骨神経痛を引き起こす可能性があります。薬を飲み、定期的に整形外科で診てもらう必要があります。
Q 気をつけることは。
A 骨折すると変形が進みやすいため、転ばないように気をつけたり、背骨に負担がかからないようにしたりすることが大切です。
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