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 戦中に学徒出陣して戦死した学生を悼む戦没学徒慰霊祭が25日、広島市中区の広島護国神社で開かれた。府中町の柳井和臣(よしおみ)さん(97)による講演もあり、神風特別攻撃隊員として過ごした海軍時代の体験を語った。

 柳井さんは慶応大在学中の1943年10月、学徒出陣で海軍に入った。45年5月、鹿屋基地(鹿児島県)で特攻作戦に臨んだが、米艦に出会わないまま帰還し、待命中に沖縄戦が終結。本土決戦に備えるさなかに終戦を迎えた。

 特攻隊は志願して入隊した。その心境について「家族や祖国のために役に立つことはこれしかないと思った」と述懐。終戦後の8月20日、戦闘機で宮崎県から岩国基地(山口県)へ向かう際に見た被爆後の広島市の様子にも触れ、「全くの焼け野原。悲惨だった」と話した。

 慰霊祭は2014年に地元大学生らが始め、今年で6回目を迎えた。実行委員長の久保慶子さん(32)は、「多くの学徒が軍隊に身を投じ、祖国、家族を守るために尽くした。今後二度と敗戦の悲運を繰り返さぬよう、それぞれの場所で力を尽くすことを約束します」と戦没者に誓った。(佐々木康之)