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 鳥取県内の多くの小中学校で26日、新学期が始まった。夏休み明けは学校に行くのがつらくなり思い悩んでしまう子どもが増えやすい。そうした中、不登校を否定するのではなく、一つの選択肢として受け入れることへの理解を広げようとする動きが鳥取県内でも広まっている。

 新学期へのモヤモヤが高まる8月、「不登校は不幸じゃない」と呼びかける催しが全国各地で行われた。鳥取会場となった東伯文化センター(琴浦町)でも25日、当事者や保護者、不登校を経験した若者など約20人が集まった。

 「学校に行かないで生きることは珍しいことじゃない。大事なのはその先につながる場所を見つけること」。「行かなくて良いと言い切ってしまうのも怖くて」。「うちは行けるようになったらで良いよって言い方をしてるよ」。参加者たちはテーブルを囲み、意見を交換したり、気持ちを吐き出し合ったりした。

 時には涙を見せながら、それでも会の終わりが近づく頃には、すっきりした様子で笑って話す姿もあった。ある母親は「学校へ行かないと決めたは良いけどこれからどうしたらいいかと思って参加してみた。一人では知らなかった情報もあるし、集まるだけでエネルギーになりました」。

 鳥取会場を主催するのは、不登校やひきこもり、障害といった子どもの悩みを持つ親の会「虹の会」の遠藤明子さん(46)ら。遠藤さんの息子(高3)も中学2年生のときから学校に行けなくなったという。当時は「学校に行くのが当たり前」という認識が強かったといい、「どうしたらいいかわからなくてつらかった」と振り返る。

 ある講演会をきっかけに県内の親の会を知った。会の例会に参加し、不登校で駄目だと思っていた息子の話をすると、「そんなこともできるなんてすごいね」と息子の趣味やちょっとした行動を褒める言葉をもらった。まるで自分が見えていない息子の姿に気付いてくれたようだった。

 ありのままの息子と向き合い、行かないという現状そのものを受け入れるようになると、気持ちも楽になっていった。「学校が全てじゃない。いろんな生き方があるっていうことをもっと知って欲しい」と、自身の体験を重ねて、同催しの運営に携わることを決めた。

 この日の催しだけでなく、県内では各地で虹の会のような親の会が定期的に思いや情報を共有する例会を開いている。県不登校の親の会ネットワーク事務局代表の東谷裕昭さん(60)は「支援センターなど学校以外の居場所はいくらでもある。不登校は決して問題行動じゃないという認識を徹底していきたい。会自体が解決の場になるとは限らないけど、つながることで解決の糸口になるはず」と話す。(矢田文)

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〈鳥取市〉

●不登校の親と子どもの会「鳥取タンポポの会」、毎月第3土曜午後1時半、090・6836・6378

〈倉吉市〉

●不登校・ひきこもりの親の会「倉吉トトロの会」、偶数月に1回、0858・35・3755

〈琴浦町〉

●不登校・ひきこもり・障がいのある子どもの親の会「虹の会」、毎月第2水曜午後7時、0858・52・2773

〈大山町〉

●不登校の親の会「いちご一会親の会」、毎月第2火曜午後3時、0859・54・5207

〈米子市〉

●不登校児童生徒、ひきこもり青少年の親の会「つながろう会」、毎月第2土曜午後1時半、090・7374・0153

●元気になろうの会―不登校や学校が苦手な子と親が集う会、毎月第4土曜午後7時半、090・2598・7826