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 公的年金の「定期健診」にあたる財政検証では、この5年間で年金財政は改善しておらず、将来の年金水準の底上げが進んでいないことが浮き彫りになった。経済の想定には甘さもみられ、より厳しい未来になる可能性もある。来年の制度改正を検討する政府は、支え手の確保だけでなく、高齢になっても働く「自助」を促す方向にかじを切り始めた。

 「経済成長と労働参加が進むケースでは、所得代替率50%以上を確保できることが確認された。(年金制度は)おおむね100年、持続可能になる」。根本匠厚生労働相は27日、財政検証の結果をこう総括した。

 財政検証で示された六つのケースのうち、経済成長を見込む中で最も慎重なケース③をみると、引き下げ終了時の所得代替率は50・8%。前回の2014年検証で、最も想定が近かったケースは50・6%で、ほぼ変わらない結果となった。

 この5年間にあった変化のうち、年金財政にプラスだったのは、出生率▽想定以上だった積立金の運用利回り――などだ。一方、想定以下だった物価や賃金の上昇率▽年金水準を下げる「マクロ経済スライド」が3年分しか実施できなかったこと――などがマイナスに働いたという。

 年金財政の改善に効果的なマクロ経済スライドは04年に導入されたが、デフレ下では実施しないルールがあり、出番がなかった。15年度に初めて実施され、足元の年金水準の引き下げは想定より遅れている。厚労省の担当者は「毎年実施していれば、将来の所得代替率はもっと高くなった可能性がある」と話す。

 検証結果をめぐっては、経済状…

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