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 岡山大病院は、難治の片頭痛を心臓手術で治す新治療法の治験を8月に始めた。秋以降には、関東や関西の医療施設も加わり、計4施設で患者128人に実施する。岡山大病院循環器内科の赤木禎治准教授は「難治の片頭痛の新しい治療法が確立できれば、患者さんの生活の質改善へ、大きな福音になる」と話す。

 心臓内部の壁に、卵円孔(らんえんこう)という小さな穴が開いていることがある。胎児期には必須の穴で、誕生後に自然に閉じるが、成人の5人に1人は、閉じないまま残っている。

 片頭痛患者ではこの卵円孔が残っている割合が高いことが分かっており、穴を塞ぐと片頭痛が改善したという研究論文も複数あるが、科学的に厳密な立証はまだできていない。

 赤木さんらは2015年に、片頭痛患者の卵円孔を塞ぐ治療を自由診療として始め、2年間で28人が受けた。その結果、約半数の人では片頭痛が消えた。特に、ちかちかする光が見えるなどの前兆を伴うタイプの患者19人で効果が高かったという。

 赤木さんらはこの結果を基に、穴を塞ぐ治療効果を厳密に証明する治験を複数の医療機関で始めることにした。

 対象は、16~59歳▽前兆を伴う片頭痛と診断されている▽50歳までに発症▽片頭痛予防薬による治療を受けているが、頭痛発作が続いている――の条件を全て満たし、検査で卵円孔が確認された人。

 治療では、全身麻酔をかけた上で、足の付け根の血管から細い管を入れて、形状記憶合金の極細針金で編んだ小さな円盤状の栓を心臓まで運ぶ。

 半数の患者では栓で穴を塞ぎ、残りの半数は麻酔をかけ管を入れるだけで、穴は塞がない。患者は、自分がどちらの群だったのか分からない。「手術を受けた」という安心感だけで頭痛が軽くなることがあるため、この影響を排除し、治療効果を厳密に検証するためだ。

 手術から9カ月後、効果判定評…

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