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(27日、柔道世界選手権 女子57キロ級)

 出口と芳田。高校時代からしのぎを削った同学年の好敵手が、女子57キロ級の世界一を決する畳でぶつかった。互いに慎重な攻防は延長へ。2分過ぎ、出口が出足払いから体落としの波状攻撃で芳田を崩し、背後に回って谷落とし。「最後は体が動いた」。左胸にメープルリーフをあしらった柔道着で表彰台の頂点に立った。

 全国高校選手権を制し、全日本の強化選手に選ばれた逸材も、伸び悩む時期があった。17歳で声をかけてくれたのが、父の母国のカナダ代表の関係者。日本で育ち、故郷・長野の自然を愛する出口の心は揺れた。決断を後押ししたのは五輪に出たいという夢だった。

 「カナダ代表の私が勝ったら日本の皆さんは喜んでくれないかも」。そんな心配もあったが、この日、客席から大きな拍手を浴びた。「驚いた。うれしい」。目を丸くして喜んだ。