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 深い悲しみを抱える人を癒やす「グリーフケア」に取り組んでいる北海道函館市の「グリーフリボンはこだて」(川村佳子代表)はこのほど、大人2人と子ども1人を迎えてグリーフサポートを行った。今年2月に会を設立して、初めてのサポートプログラムの実践となった。

 子どもは市内の小学1年の男の子(7)。5年前に父親が病死し、今春には親の転勤に伴って住み慣れた札幌を離れ、親しい友だちとも別れて函館へ引っ越した。夫と死別した母親は、悲嘆にふたをして、子育てのために踏ん張っているうち心が不安定になり、心療内科を受診。グリーフケアの活動を知ったという。

 8月25日に実践したプログラムはまず、「はじまりの輪」から始まった。初対面の男の子と、川村さんら専門のスキルを持つ2人のファシリテーター(手助けをする人)が、自己紹介を兼ねて名札を作成。打ち解けた後は、さまざまな遊びを楽しんだりおやつを食べたりして、3時間ほど自由に過ごした。川村さんたちは「表現アートセラピー」も採り入れつつ、男の子の興味関心の赴くままにすべてを受け止め、共感し、寄り添った。

 母親は「子どもは『悲しい気持ちはないよ』と言って、表面上は父親の死を受け入れているように見えるけれど、専門の人に客観的に『心の状態』を見てほしかった。悲しみの直後は殻に閉じこもり、外からの情報を遮断しがち。グリーフサポートに参加すれば、自分なりのタイミングで前を向くきっかけになると思います」と話した。

 川村さんは「当面の課題は、まずは大人たちにグリーフケアの活動について広く知ってもらうこと。そして徐々に、喪失体験をした子どもにも広がってくれれば」と願っている。10月5日には函館市の函館蔦屋書店で講演会とワークショップを開催予定だ。

 問い合わせは、グリーフリボンはこだて(https://www.grief-ribbon.com別ウインドウで開きます 電話080・1876・6626)へ。(阿部浩明)