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 77歳の夫。昨年夏ごろから歩くとバランスを崩し、その年の秋に多系統萎縮症と診断されました。次第に歩くのが困難になり、今は車いす生活です。飲食の際にむせたりのどに詰まったりすることも増えています。生活する上での注意点を教えて下さい。(神奈川県・K)

【答える人】戸田達史(とだ・たつし)さん 東京大学病院脳神経内科教授=東京都文京区

 Q 多系統萎縮症とはどんな病気ですか。

 A 脳神経細胞に異常が起きて、体の様々な働きが失われていく難病です。小脳や自律神経系など複数の部位で異常が生じるため、「多系統」と言われます。

 Q どのような症状がありますか。

 A 体のバランスがとれなくなり、パーキンソン病のように動作がゆっくりになったり体が震えたりすることがあります。自律神経系も影響を受けるため、立ち上がると血圧が下がる「起立性低血圧」になり、便秘や頻尿が起きることもあります。食べ物ののみ込みや会話をするのも難しくなっていき、症状が進むと寝たきりになります。

 Q 病気の原因は。どのような治療をしますか。

 A 病気の原因がわかっていないので、根本的な治療法が見つかっていません。症状を和らげる対症療法を行います。パーキンソン病や小脳の病気の治療薬を使うこともあります。進行をおさえて生活の質を保つには、リハビリテーションも重要です。座ったままでできるものもあります。主治医に相談してみて下さい。

 Q 日常生活で注意することはありますか。

 A けがをしないよう転倒に注意します。起立性低血圧が起きないよう、急に起き上がらないようにして下さい。のみ込みができなくなってくると、誤嚥(ごえん)性肺炎が起きやすくなります。病院でのみ込む機能を評価してもらい、状態に応じて、食べ物にとろみをつけるなど工夫してみて下さい。症状が進むと介護が大変になります。家族だけで抱え込まず、ホームヘルパーらの支援を受けて下さい。