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 元埼玉県川越市議が自身のセクハラ・パワハラを告発した市職員を相手に損害賠償を求めて起こした訴訟を報じたテレビ埼玉のニュースについて、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は28日、審理に入ると発表した。

 対象は、4月11日に放送した「News545」。BPOによると、放送では「元市議セクハラ訴訟 被害女性職員 請求棄却求める」の字幕を表示して訴訟を報じた。元市議はハラスメントそのものを「身に覚えがない」とした上で、自身が提訴した裁判であるにもかかわらず、放送は「セクハラを訴えられたような印象を与え、名誉を損なわれた」とBPOに申し立てている。

 また番組では、「第三者委員会が調査をした結果、五つの行為がセクハラやパワハラにあたると認定され、元市議は去年10月に議員を辞職した」と伝えたが、実際は、元市議は委員会の認定前に辞職していた。

 テレビ埼玉は、放送直後に辞職の時期などを修正した内容を放送したほか、後日、番組でおわびと訂正を行っていた。元市議は同局の対応は不十分だとし、「元市議セクハラ訴訟」という呼び方をやめることや、誤解を与える放送をしたことへの訂正と謝罪を求めている。

 審理入りに対しテレビ埼玉は、「人権を侵害するような放送倫理に欠けた報道だとは考えておらず、内容に問題はなかった」とした上で、「審理につきましては、誠意を持って取り組む」とコメントした。(西村綾華)