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 大雨による冠水で孤立状態になった佐賀県大町町(おおまちちょう)の順天堂病院と併設の老人保健施設に対し、佐賀県は食料や水を運ぶ準備を進めている。水道が使用できず、タンクの水でしのいでいるため、水の搬入も要請されている。病院スタッフの交代要員を送り込む必要もあり、県や病院、町、自衛隊などで連絡を取り合っている。

 病院から県に入った連絡によると、食料は29日までの分しかないという。病院や老健施設内の水はほぼ引いたが、周囲はまだ70~80センチほどの水深がある。水の引き具合などを見ながら、ボートでの搬入などを検討する。

 病院と老健施設では、215人が一夜を過ごした。内訳は入院患者110人、入所者69人、医師3人、看護師17人など。

避難住民「これ以上病院に迷惑をかけたくない」

 佐賀県大町町の順天堂病院は地区の避難場所でもあり、自宅が浸水した近所の住民たちが身を寄せていた。

 28日昼過ぎに病院へ向かった女性(82)は、すでに病院1階が水浸しになっているのを見て、すぐに2階の食堂に上がった。避難者は町役場から受け取った非常食を分け合い、夜はいすやマットを並べて寝たという。

 自分のことより気にかかったのは、人手不足の中、必死に働く病院職員たちの姿だった。玄関口から入りこむ水をせき止めたり、医療器具を上の階に運んだりと応急処置に追われながらも、患者だけでなく、避難した自分たちにも気を配る様子に「気の毒で、申し訳なくなった」。水が出なくなったため、おけで風呂の水をくんでトイレを流してくれた職員は「気にせず何度でも使って」と声をかけてくれたという。

 これ以上迷惑をかけたくないと、翌朝にはボートで町の避難所に身を移した。