ラグビー代表選考、選手たちの心境は 平尾剛氏に聞く
平尾剛の知って楽しむラグビー学
今秋に日本で開かれるラグビーのワールドカップ(W杯)の日本代表メンバー31人が8月29日、発表された。選手たちの心境はどんなものか。1999年W杯日本代表で神戸親和女子大教授の平尾剛さん(44)に語ってもらった。
ワールドカップ(W杯)日本代表メンバー31人が発表された。発表直前に網走で行われた強化合宿には41人が参加していたから、10人が涙をのんだ。個人的にはほぼ予想通りの人選だったが、わずかながら意外な選出もあった。いずれにしても本大会に挑む顔ぶれが確定したわけである。
自分の経験を振り返ると、最終メンバーが確定する前のチーム内には、どことなくよそよそしさが漂う。
当落線上の選手は同じポジションの選手に、意識下で対抗心を燃やすものだ。ライバルが試合で好プレーを披露すると心が乱れる。一緒に練習をしていてもそのプレーぶりが気になって、どこか気持ちが落ち着かない。選手一人ひとりがハイパフォーマンスを発揮することは、チームの一員として歓迎すべきなのに、素直に喜べない。自分勝手なその気持ちを隠すために強がってはみせるものの、実はナーバスになっている。
そんな彼らの複雑な心境を察…