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 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止されたことを受け、日本美術家連盟(山本貞理事長)は29日、ホームページ上で声明を発表した。「中止が決定されたこと、その原因が多数の脅迫めいた言説等によるものであることを、深く憂慮する」と述べ、国民が一方向を向いたかつてと同じ轍(てつ)を踏まないためにも、「表現の多様な場を守る必要がある」と訴えている。

 声明は「この度の展示中止は、作品がおかれ、人々に評価されるその場をうばってしまった。同時に、たくさんの脅迫等によって、本来私共がもっていた作品の意味や主張を評価する『場』に対しての信憑(しんぴょう)を自ら放棄してしまった」と主張。同展を開催した愛知県の姿勢を評価しつつも「事前に展覧会の主旨が、公共の場と表現の関係を拡張しようとする試みであることを周知すべきであったし、反対意見や議論への対応、脅迫等の違法行為に対する組織的な対応をも展示のプログラムに織り込むべきではなかったか」と指摘した。

 また、多様な表現が、柔軟な考え方を生み出す土壌になるとしたうえで「かつて日本は、ほぼすべての国民が一つ方向を向き、結果として途中で修正することができず痛ましい結果を迎えた。その轍(てつ)を踏まないためにも、表現の多様な場を守る必要がある」と訴えた。