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 2016年8月の台風10号の豪雨災害から3年となった30日、岩泉町で犠牲者追悼慰霊式があった。町が行う追悼式は今年が最後だが、中居健一町長は「(災害の)記憶は今後も教訓として受け継いでいく」と防災への決意を示した。

 昨年度、新たに1件の災害関連死が認められ、豪雨災害の犠牲者は町内で25人となった。災害公営住宅や住宅移転地の造成工事は7月末までに終了した。中居町長は「ここから新しい町の一歩を踏み出すべく、防災の一層の強化に取り組んでいく」と述べた。

 「『早く家に入って』と伝えて別れたのが最後。一緒に連れて逃げればよかった」。式典に出席した穂高恵美子さん(68)は、母ミネさん(当時93)を亡くした。「式典では(母に)感謝を伝えた。いつまでも引きずるよりは……」と言葉少なに語った。

 入所者9人全員が犠牲になった高齢者施設「楽(ら)ん楽(ら)ん」の跡地では、施設を運営していた社団医療法人「緑川会」の職員ら約50人が黙禱(もくとう)を捧げた。佐藤弘明常務理事は「亡くなった方や遺族に対して申し訳ない気持ちは今も変わらない。新しい職員も増え、訓練の中で『早く避難するのが一番』と伝えている」と話した。(御船紗子)