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経済インサイド

 トヨタ自動車とスズキが資本提携に踏み切りました。片や世界トップを争う巨大企業。片や軽自動車など低コストな車に強く、巨大メーカーと渡り合いながら独立を維持してきた中規模企業。ともに創業家が経営トップで、独自色が強い2社がなぜ資本提携を選んだのか。背景には、独立した企業でありつつ、後ろ盾も得たいという、スズキ側の事情がありました。

スズキが示した「感謝」

 「しっかりやりなさいという激励を込め、トヨタさんに株を持っていただいた」。スズキの鈴木修会長(89)は8月28日夜、取材で訪ねた記者にこう語った。

 この日の夕方、トヨタとスズキは書面で資本提携を発表。トヨタがスズキに960億円を出資してスズキ株の4.94%を持ち、スズキはトヨタに480億円を出資してトヨタ株の0.2%を持つ。両社は2016年に業務提携の検討入りを発表。その後ハイブリッド車(HV)などで技術提携を続け、資本提携へ一歩進めた。

 出資比率は低いとはいえ、なぜトヨタの「傘」の下に入る決断をしたのか。1978年に鈴木自動車工業(現・スズキ)社長に就き、その後会長となった後も「浜松の中小企業のオヤジ」を自任し、名物経営者として君臨する鈴木氏の口から出たのは意外な言葉だった。

 スズキ側からもトヨタに出資するのは「感謝の気持ちから」。「気は心」とも。繰り返しトヨタへの謝意を示し、「われわれからは『貧者の一灯』なので、(トヨタがスズキに出資する額の)半額になってしまった」。

 エンジン車からHVや電気自動車(EV)への移行、自動運転技術によるハイテク化の進展――100年に1度の変革期と呼ばれる自動車業界で各社が提携を重ねる中、スズキは、荒波に独り立ち向かうような状況だった。

 1981年から資本提携していた米ゼネラル・モーターズ(GM)は08年、リーマン・ショック後の経営難でスズキ株を放出。スズキは09年末に独フォルクスワーゲン(VW)と資本提携したが、VWがスズキを「関連会社」と位置づけるなど、不平等な関係にスズキが不満を募らせ、15年に提携を解消した。以来、スズキには後ろ盾がない状態だった。

■「株を持ってください」と…

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