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 北海道胆振(いぶり)地方を中心とし、最大震度7を観測した地震から6日で1年がたつ。北海道庁や道内の自治体によると、大規模な土砂崩れなどの犠牲になった死者は44人(うち災害関連死3人)、負傷者は785人にのぼった。被害が大きかった厚真(あつま)、安平(あびら)、むかわの3町や札幌市などで、少なくとも467世帯1032人が仮設住宅などでの避難生活を余儀なくされている。

 全壊した住宅は、一部で液状化被害が出た札幌市で99戸、厚真町が233戸、安平町93戸、むかわ町41戸。高齢化が進む被災3町では、震災後の人口減少に拍車がかかっている。住民票に基づく人口統計によると、地震後の昨年9月末~今年8月末の1年間で3町の人口は全体の3%余にあたる690人減った。地震前の2倍のペースだ。住まいを確保するために町を離れる人が目立つという。

 3町のうち、「全壊が200戸以上」など、国の補助を受けて「災害公営住宅」を建てる基準を満たしているのは、厚真町しかない。

 地震直後には、道内全域で国内初となる大規模停電(ブラックアウト)が発生し、計295万戸が停電。電力復旧までの2日間、多くの家庭で不便な生活を強いられた。当時は、道内の電力需要の半分近くを北海道電力の一つの火力発電所に依存しており、電力供給システムの危うさが浮き彫りになった。

 商工業や農林水産業の地震による被害は、ブラックアウトも含めて1620億円に達した。特に厚真町など大規模な土砂崩れに遭った林業の被害額は全産業で最大の511億円にのぼった。一方、心配された観光業への影響は、宿泊施設のキャンセル数を元にした推計で356億円だった。観光客数は、地震直後の昨年9月に前年比約8割まで落ち込んだが、翌月以降はほぼ回復したという。(片山健志、伊沢健司)