同性パートナーに在留特別許可 「ありがとう、日本」

杉原里美、板橋洋佳
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 法務省は2日までに、在留資格がないまま日本人の同性パートナーと17年間同居していた関東に住む東南アジア出身のトランスジェンダーの女性(58)に対して、在留特別許可を認める決定をした。この女性は男性として生まれ、法律上は男性同士のカップルとなる。弁護団は、「同性パートナーに在留特別許可が認められたのは、3月の台湾人男性に続き2例目とみられる」という。

 トランスジェンダー女性は1981年、エンターテイナーとして興行ビザで来日。93年に在留資格を失った後、日本人の男性会社員(67)と出会い、2002年から同居している。13年、女性は肺がんの手術を受けたが、健康保険がないため、医療費は男性が負担してきた。

 将来への不安が募り、16年には、パートナーシップ合意契約と遺言の公正証書を作成。17年3月、東京入国管理局に出頭した。今年8月14日、「定住者」として在留特別許可が出た。

 2日、都内で開かれた記者会見で、女性は「ありがとう、日本」と感謝を述べ、「健康保険にも加入できてうれしい」と涙をぬぐった。弁護団の熊沢美帆弁護士は、「入管に出頭した際、日本人の配偶者用書類で対応された。婚姻同然の2人の関係が大きく評価された」とみる。

 法務省出入国在留管理庁は、「素行や生活スタイル、社会への定着性や人道的な配慮など、これまでの在留状況を総合的に判断した」としている。(杉原里美、板橋洋佳)