後藤一也
神戸大などの研究チームが、微弱なマイクロ波を使い、痛みや被曝(ひばく)がない乳がんの新たな検査機器「マイクロ波マンモグラフィー」を開発し、2021年秋以降の実用化をめざすことになった。開発を進めるカギになったのは、意外にも応用数学の難問だった。
現在、乳がん検査には主にX線マンモグラフィーと超音波エコーがある。X線は若い人に多い高濃度乳房ではがんが見分けにくく、乳房を強く挟むため検査時に痛みを感じる人が多い。エコー検査は痛みも被曝もないが、検査をする人によって診断に差が出やすい。
神戸大が13日に発表したマイクロ波マンモグラフィーは、携帯電話の1千分の1程度の微弱なマイクロ波で乳房の表面をなぞって検査する。X線で白く見える高濃度乳房のコラーゲン繊維は、マイクロ波を使えば画面に写らず、がんの形だけを画像で示す。
マイクロ波を乳がんの検査機器に利用する研究は、1980年ごろから世界で進んできたが、実用化は進んでいなかった。ある研究者は「計算機上はうまくいっても、生体内では理論通りにならないことが多い」という。
検査機器はがんにマイクロ波をあてて、はね返ってくるのを検出する仕組みだが、実際のマイクロ波はがんにあたってばらばらに散乱する。そこから元の形を割り出そうとすれば、大量の計算と時間が必要で、これまでは難しかった。
今回、マイクロ波マンモグラフ…
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朝日新聞社会部