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 会津若松市河東町の会津藩校日新館の隣に移築されていた江戸時代中期の「旧岡崎家住宅」が、かやぶきの屋根が落ちるなど荒廃が進んだとして、県指定重要文化財から外れることになった。県文化財保護審議会(伊藤喜良会長)は3日、指定解除を県教育委員会に答申した。県教委によると、文化財としての価値が損なわれたとして指定が外れるのは異例だという。

 旧岡崎家住宅は矢吹町中畑の庄屋の屋敷で、1770年ごろに建てられた。戊辰戦争で焼失した会津藩校日新館の復元にあわせ、1988年に日新館の隣に移築。89年に県指定重要文化財に指定された。

 かやぶき屋根の建物は幅約28メートル、奥行き約10メートル、高さ約8メートル。当初は江戸時代の資料を展示したり、子供たちに当時の暮らしを伝えたりするなど活用されていた。だが、現在は屋根の半分がなくなり、梁(はり)の一部も失われた。倒壊の危険性もあり、建物の前には「立ち入り厳禁」を伝えるプレートが掲げられている。

 県教委によると、数年前から市教委を交えて、現在の所有者である冠婚葬祭業「神保」グループ側と、修繕や保存に関する協議を重ねてきたが、修復の見込みが立たず、指定解除を行うことにした。

 「神保」は朝日新聞の取材に対し、「今後の方向性は検討中」としているが、文化財に詳しい関係者からは「江戸時代中期の建物は貴重なもの。もったいないことだ」との声が聞かれる。(戸松康雄)