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 政府提出の法案を審査する内閣法制局の参事官が2016年、公表前の臨床研究法案の資料を製薬会社の執行役員に渡していたことが3日、明らかになった。参事官は厚生労働省から出向中の男性職員だった。同省は守秘義務違反にあたるとして訓告処分にしたが、公表はしていなかった。

 毎日新聞が3日付朝刊で報じた。臨床研究法は、製薬会社から研究者側への資金提供情報の公表を義務づけるなどしている。製薬会社ノバルティスの高血圧治療薬「ディオバン」をめぐる論文不正事件を受け、政府が16年5月に法案を国会に提出し、17年4月に成立した。

 厚労省によると、職員は同省で同期だった製薬会社の執行役員の求めに応じ、同省から法案内容が書かれた資料を取り寄せ、16年1月に執行役員に渡した。同年2月には、障害者総合支援法改正案の資料を障害者施設の施設長らに渡していた。職員は同省の調査に対して事実関係を認めたが、「金銭の授受はなかった」と説明したという。

 厚労省は同省に戻った職員を16年12月、守秘義務違反で訓告処分にした。国家公務員法上の懲戒処分ではなく、公表基準に達していないとして公表しなかった。