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 日本有数の2万台を超えるサーバー群を動かすデータセンター(DC)が、北海道石狩市のとある場所にある。大手フリマアプリなど多くのネットサービスの発信元となっているこのDCを昨年9月、強い地震が襲った。道内全域が停電するブラックアウトの中、サーバーが止まれば数百万人に影響を与えかねない――。そんな事態を回避するため、およそ30人の社員が24時間態勢で対応にあたった。社員らの奮闘を支えたのは、1杯の温かいスープだった。

 通信大手「さくらインターネット」(大阪市)のエンジニア、高城優一さん(34)が札幌市内の自宅から車で石狩DCに駆けつけたのは、昨年9月6日午前6時ごろ。地震の発生から3時間がたっていた。DCではすでに、自家発電機のディーゼルエンジンがうなりを上げていた。

 石狩DCで常に動いているサーバーがフル稼働した際に消費する電力量は、北海道電力が供給する電力の1%に相当するという。立地の決め手になったのは冷涼な北海道の気候。熱を持ったサーバーを冷やす狙いがあった。

 石狩DCでは、フリマアプリのほかにも金融関連サービスなど、日本の大手IT企業が手掛ける複数のサービスが動いている。地震が起きたその瞬間も、多くのユーザーが接続していたとみられる。官公庁の業務にも使われており、最近では膨大な計算が必要なAIの研究でも重要な役割を果たす。8月末に役目を終えたスーパーコンピューター「京(けい)」に匹敵する計算能力を持った機器まである。

 だから、サーバーは何があっても動くことが求められる。自家発電機に頼れる時間は限られる。「停電はいつまで続くのだろう」。高城さんの不安は募った。

 同時に気がかりだったのは、家に残してきた妻と子どものことだ。いつ復旧するか分からない停電の中で過ごす家族。自分は当分帰れそうにもない。そんな不安を見て取ったのか、上司が社員に提案した。

 「家族をDCに呼ぼう」

 その一言が、後に会社の考えまで変えさせるきっかけになった。

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