[PR]

 欧州宇宙機関(ESA)は2日、地球観測衛星アイオロスが、米宇宙企業スペースXの打ち上げた衛星群の一つと衝突する可能性があるとして、軌道を微修正したと明らかにした。ESAによると、衛星同士の衝突を避けるための軌道修正は極めて珍しいという。

 ESAのツイッターやAP通信によると、宇宙空間を監視する米国防総省からの情報提供をもとに、衝突する可能性があった位置の半周手前でアイオロスが小型エンジンを噴射。軌道を修正して衝突を回避したという。衝突する可能性は千分の1ほどだった。アイオロスはその後も正常に観測を続けている。

 アイオロスは、2018年にESAが打ち上げた衛星で、地球上の風の動きを観測している。スペースXの衛星群は、宇宙のインターネット基地局となる小型の通信衛星で、今年5月に第1弾の60基が打ち上げられた。

 民間企業による大量の小型衛星の打ち上げなどで、宇宙空間の混雑には拍車がかかっている。衛星の「交通整理」のルールが定まらない中、衛星同士の衝突の恐れは今後、増えていくとみられる。ESAは「将来、手動操作での回避は不可能になる」と指摘。人工知能を使った自動回避システムを準備しているとしている。(ワシントン=香取啓介)