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 昨年10月に山口県の周防大島(周防大島町)と本土を結ぶ大島大橋に貨物船が衝突し、町のほぼ全域が1カ月以上断水した事故で、町民96人が生活に多大な支障が生じて精神的な苦痛を受けたとして、船を所有するドイツの海運会社を相手取り、総額約1500万円の損害賠償を求め、山口地裁岩国支部に提訴した。

 事故をめぐっては、広島地裁が今年2月、船主責任制限法に基づき、海運会社の損害賠償の上限額を約24億5千万円と決定。橋や送水管の復旧工事をした山口県と周防大島町などは決定を不服として即時抗告し、町民分と合わせた損害総額を計44億1千万円と広島地裁に届け出た。

 今回の住民の提訴は7月30日付。訴状によると、船主責任制限法に基づく損害は物的損害のみで、断水や橋の通行制限によって住民が被った精神的な損害は含まれていないと指摘。1人あたり15万円の損害賠償を支払うよう求めている。

 海運会社の代理人弁護士は4日、朝日新聞の取材に対し、「正式な訴状が届いたうえで内容を精査する。裁判所では我々の主張をきちんとしていきたい」と話した。(金子和史)