ドイツ文学者で、エッセイストとしても知られた、池内紀(いけうち・おさむ)さんが8月30日、虚血性心不全で亡くなった。78歳だった。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻水緒(みお)さん。

 兵庫県姫路市生まれ。東京外国語大学卒業後、東京大学修士課程修了。主な訳書に、2000~02年の「カフカ小説全集」(全6巻)、00年にゲーテ「ファウスト」で毎日出版文化賞。このほか、02年に評伝「ゲーテさんこんばんは」で桑原武夫学芸賞、13年「恩地孝四郎 一つの伝記」で読売文学賞。山歩きや温泉をテーマにしたエッセーも人気だった。弟は宇宙物理学者の了(さとる)さん、息子は東大教授(イスラム政治思想)の恵(さとし)さん。

 97~01年に朝日新聞書評委員を務めた。