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 イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏が描く世界は、テクノロジーの進化に潜む近未来の支配の構図を見事に浮き彫りにした――。みずほフィナンシャルグループ(FG)の佐藤康博会長(67)はそう語る。メガバンクのトップに、テクノロジーが変える金融の未来について尋ねた。

シンギュラリティー:人工知能(AI)が人間を超えるまで技術が進むタイミング。社会が加速度的な変化を遂げることを指すこともある。変化に伴って「見えないルーラー(支配者)」も世界に現れて始めている。

 ――なぜハラリ氏の描く世界に、経営者は関心を持っているんでしょう。

 「日常生活で私たちが感じる不安感、その本体が何かを深くえぐり出している。電車でほとんどの人がスマホをみている。でもデータは全てクラウドに吸い上げられ、例えば中国語を勉強しようと中国語の辞書を調べていると、ある日突然、中国語教室の宣伝がどっと流れ込んでくる。自分の個性や生きがい、人生までをも規定しにかかってくるデータ社会の恐ろしさ。利便性の裏にあるデータをめぐる支配と被支配の構図を彼ははっきり示した」

 「それから、科学の進歩がもたらす支配と被支配の構図も彼は指摘している。人工知能(AI)による医学の進歩はいいことだが、1回3千万円以上する薬で治ったとしても、その進歩を享受できる人間とそうでない人間で、決定的な格差ができる。極端な話をすれば、お金持ちは120歳まで生きるが、貧乏人は60歳で死ぬ社会に近づく」

AIが生む「無用者層」

 「また、AIが人の知能を超えるシンギュラリティーが来れば、職業を奪われて、無用者層とも呼ぶべき人たちがでてくる。こうした三つの支配と被支配の構図を彼は浮き彫りにした」

 ――とりわけ「データ支配」に対して、どう備えるべきなのでしょうか。

 「基本的にはデータ活用を進め…

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