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 大きな地震も小さな地震も、発生直後の揺れ方は意外と似ている――。東京大の井出哲(さとし)教授が、東日本大震災を含む過去15年に発生した地震の観測結果からそんな成果を明らかにし、英科学誌ネイチャーに発表した。

 日本の周辺では2分に1回の頻度で地震が起きている。マグニチュード(M)6以上の地震も年十数回ある。

 井出さんは、北海道から関東の太平洋沖で2004年以降に発生したM4・5以上の地震約2500回のうち、プレート境界が破壊されて滑った東日本大震災と同型の約900回を抽出。同じような場所で起きたM2以上4未満の小さな地震と地震波を比べた。地震波のデータは震源の近くの10地点のものを使った。すると、全体の2割は地震波の始まり方の特徴が極めて似ていた。

 これまで、同じような場所と規模で繰り返し起きる地震については、揺れ始めの地震波が酷似するという報告はあった。今回、揺れ始めは同じで、途中から規模が大きく変わる分かれ道があるらしいことが分かった。

 逆に言うと、発生から1秒未満の短時間では地震の規模は予測できないことを意味する。井出さんは「緊急地震速報の改良や高速化は難しいという残念な結果」としつつ、プレート境界で破壊滑りが進むシナリオづくりに生かしたいとした。(小林舞子)