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 駅や商店街などに置かれ、誰でも自由に演奏できる「ストリートピアノ」。その普及と、ピアノを弾いた人から募った寄付で恵まれない子どもたちに音楽教育などを行おうと、今夏、社団法人が立ち上がった。寄付されたピアノが11日、JR黒崎駅(北九州市八幡西区)でお披露目される。

 女性の創業支援などに取り組むコンサルタント、本山晴子さん(48)=北九州市小倉北区=が代表理事となり、8月、一般社団法人「ストリートピアノドネーションズ」を設立した。

 育児支援の仕事も手がけるかたわら、児童養護施設を出た青年に奨学金を給付する活動や、自殺予防のための傾聴ボランティアにも取り組んできた本山さん。昨年11月、そうした活動と、小中学生の時に習い、5年前に演奏を再開したピアノとが頭の中で結びついた。

 別の団体が北九州空港に置いたピアノのお披露目で、知人と連弾。すると、アイデアが浮かんできた。「ストリートピアノを普及させ、弾いた人から寄付を募ることで音楽教育の支援が出来る」「街中に優しいピアノの音があふれるようになれば、人の心を癒やし、自殺予防にもつながるのでは」。半年ほどかけて、準備を進めた。

 使わなくなったピアノがないか友人らを通じて情報を募り、置き場所の提供はボランティア仲間を通じてお願いした。寄付は当面、活動に賛同した人に法人の口座に振り込んでもらうが、ピアノにQRコードを貼り付け、弾いた人が電子マネーを使ってその場で寄付できる方法も準備中。ピアノの維持や寄付を使った音楽教育のため、調律師や講師らの協力者も集めてきた。

 最初のストリートピアノは、JR九州の協力で黒崎駅に置くことができた。本山さんの知人で、北九州市内で司会業を営む加藤昌子さん(52)が子どもの頃に弾いていたものだという。

 ピアノはすでに複数台確保し、ショッピングモールやフェリーの船内に置いてもらうよう交渉しているという。集まった寄付は調律などの維持経費に充てるほか、経済的な理由などでピアノのレッスンが受けられない子どもらへの講習や出前コンサートも計画する。

 「世界中のストリートピアノが、子どもたちへの支援につながる仕組みを作っていきたい」と本山さん。ピアノの寄付や置き場所、活動に協力してくれる企業や個人を募っている。

 11日は午後4時から、地域住民がリレーで演奏する予定だ。問い合わせは社団法人ストリートピアノドネーションズの事務局(090・9076・4607)へ。(吉田啓)