[PR]

 昨年9月の北海道胆振東部地震で被災した保育施設で、震災から2~3カ月がたっても園児(3~6歳)に心身の不調が続いていたことが藤女子大(札幌市)などの調査で分かった。調査した107施設のうち約35%で確認された。東日本大震災などでも長期にわたって心身の不調が確認されており、専門家は「長期的な心のケアが必要だ」と指摘している。

 北海道胆振東部地震では火力発電所の被災などによる大規模停電(ブラックアウト)が起き、余震も続いた。藤女子大の吾田(あづた)富士子教授(保育学)や花山認定こども園(札幌市)の吉木美恵・主任看護師らによる研究チームは昨年11~12月、被災した保育所や認定こども園など計107施設を調査した。7割超の施設で震度5弱以上を観測。震度7も2施設あった。

 地震直後の園児の様子を振り返ってもらったところ、66%の施設が園児に心身の不調がみられたと回答した。半数以上の施設で「ふいに地震のことを思い出し話す」様子が確認され、「心配で落ち着かない」も約4割に上った。また、小さな物音にもビクッとしたり、身近な大人と離れられなかったりする様子もみられたという。調査時点で地震から2~3カ月が過ぎていたが、約35%の施設でこうした不調が続いていた。

 災害後の子どもの不調は、東日本大震災でも報告されている。厚生労働省研究班が2012~15年度に岩手、宮城、福島の被災3県の保育所や幼稚園で実施した調査では、震災から4~5年経っても約7%の子どもに問題行動がみられ、数年経ってから問題行動が出た子どもも約4%いた。

 研究班メンバーの奥山真紀子・日本子ども虐待防止学会理事長は「震災後、いったん心の不調が良くなっても、後になって症状が出る子もいる。激しく怒ることなどを避け、子どもを安心させてあげてほしい」と話している。(小川裕介)