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 「コインチェック事件は北朝鮮ハッカーが関与しているのか?」

 国連安全保障理事会の専門家パネルは今年3月、ロシアのセキュリティー企業の調査リポートを引用する形で、約580億円の暗号資産(仮想通貨)が盗まれた「コインチェック事件」に北朝鮮ハッカーが関与したことを示唆する報告書を一度はまとめた。ところが9月5日に公表された新たな報告書からは、コインチェックの文字が消えた。なぜなのか。

「北朝鮮説」に以前から疑問の声

 暗号資産の交換業者コインチェック(東京)で、約580億円の暗号資産がわずか19分あまりのハッキングで盗まれたのは2018年1月。盗んだハッカーは何者なのか、長らく不明のままだった。そこに飛び込んできたのが、3月の報告書だ。

 報告書には、ロシアのセキュリティー企業「グループIB」がまとめたリポートが引用されていた。それによれば、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」が主に韓国の暗号資産交換所に対し、サイバー攻撃を仕掛けて仮想通貨を盗んでいると指摘。そこにコインチェックの名前もあった。

 ラザルスは、主に韓国を標的に、コンピューターを動作不能にする破壊活動で知られてきた。近年では16年、バングラデシュ中銀で8100万ドルが外部に不正送金される事件など、金融機関を狙った攻撃が目立つ。17年には韓国で複数の仮想通貨交換所が狙われ、顧客のビットコインなどが盗まれた。深刻な経済状況を打開すべく、外貨獲得に動いているためとされる。

 コインチェック事件に関与したハッカーが名指しされたことは、各国で大きな話題となった。だが一方で、「本当なのか?」という声が、サイバー犯罪に詳しい専門家の一部から上がっていた。実は記者もその一人だった。

ロシア企業に接触するも…

 記者はリポートをまとめたグループIBにコンタクトした。数週間後、返事が届いた。

コインチェックから暗号資産を盗み出したのは、いったい何者なのか。須藤編集委員の追跡は続きます。取材の末に行き着いたのは、米国のセキュリティー専門家から紹介されたある人物。この人物から暗号化されたメールで届いた極秘リポートには、興味深い指摘がいくつも盛り込まれていました。

 「ラザルスが関わっていたと言…

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