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(7日、野球U18W杯 豪州4―1日本)

 3点を追う三回。無死一塁で、2番武岡にバントのサインはなかった。2球目。直球を打ち損じて一ゴロ併殺打に。四回も1死一塁で6番熊田もボール球の直球を打ち、二ゴロ併殺に仕留められた。

 武岡が振り返る。「空回りですかね……。なんで打てなかったか分からない。他のみんなも同じだと思う」

 直球はチームの狙い球だった。今大会から新設した分析コーチを中心に豪州を研究。先発した相手右腕が直球主体で組み立ててくることも分かっていた。データ通りなのに、とらえきれない。熊田は悔いた。「夜遅くまで分析班がやってくれたデータなのに、ボール球に手を出してしまった。チームでやろうとしていることを徹底できなかった」

 打線には4番の石川をはじめ、能力が高い選手が並んだ。しかし、この日は散発3安打で1得点。「選手に焦りがあった」と永田監督は言うが、一丸となって狙いを実践する力も足りなかった。

 ベンチでは、首脳陣と主将坂下の大声だけが響いていた。前夜、韓国にサヨナラ負けしたショックを切り替えられなかったのか、他の選手の声は小さい。打者への指示も少なかった。

 決勝に進む台湾と米国のチーム打率が3割を超えるのに対し、日本は2割5分9厘と劣った。短期間でチームを仕上げる難しさにも直面し、初の世界一への道は途絶えた。(小俣勇貴