[PR]

 大量の水と安定した電気が必要な人工透析。インフラが破壊される地震などの災害に、透析医療を担う医療機関や透析患者はどう備えたらよいのか。宮崎県透析医会災害対策理事で、内科クリニック院長の盛田修一郎さんが、宮崎市で約80人の透析患者や家族を前に講演した。

 講演は県腎臓病協議会の研修・交流会の一コマとして8日に行われた。盛田さんによると、一般的な人工透析は血液と透析液を半透膜を利用した透析器(人工腎臓)の中で間接的に接触させて血液の毒素を取り除く。1人の患者の透析治療に対し、1分あたり0・5リットルの水(透析液)が必要で、通常4時間の治療では器具洗浄なども含めて150~200リットルが必要になるという。透析患者は週に3回、こうした治療を受けている。

 県によると、県内の透析治療患者は昨年末で4011人。その51%が70歳以上だ。

 患者20人への1回の透析治療で3~4トンの水が必要なのに対し、県内の自治体で保有する容量2~4トンの給水車が7市町村で計9台あるのみ。災害時には飲料水などの需要もある中、すべてを透析治療に回せるわけでもない。

 盛田さんは「インフラに大きな被害が出る震度7の地震に見舞われた場合、被災をまぬがれた地域への移動が必要になる」と指摘。患者には受け入れ施設の情報が得られる「透析メール」への加入や慣熟を勧めた。透析可能な施設に患者が集中して通常の透析が受けられない可能性もあり、「普段以上の自己管理が必要」と話した。

 さらに「交通の便の悪い宮崎は災害時に陸の孤島となりかねない。自前で透析治療をするためには、拠点病院や透析医療機関で地下水プラントを設置できるような公的補助などの条件整備が必要だ」と述べた。(菊地洋行)