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 関西医科大が膵臓(すいぞう)がんの臨床試験(治験)にかかる費用をネットで募ったところ、最終日の8日までに当初目標の3・5倍にあたる約3500万円が約1700人から寄せられた。6月10日の開始から2日で当初目標1千万円に達し、目標を引き上げて続けていた。

 寄付した人からは「母が膵臓がんで亡くなった。有効な治療法が確立されることを願います」「知人が闘病中です。希望の光となることを願っています」といった声が寄せられた。

 計画する治験では、腹膜にがんが転移して手術が難しくなった膵臓(すいぞう)がん患者に、胃がんで認められている2種類の抗がん剤を併用する。いずれの薬も価格が安いジェネリック(後発)医薬品が出ている。

 製薬7社に資金協力を求めたが、新薬と違って利益が見込めず断られた。公的資金も得られず、クラウドファンディングというネット募金にした。こうした例は全国でも珍しいという。

 治験を計画した関西医大の里井壮平教授は「今まで研究費を獲得するには専門家だけで審査する仕組みだったのが、市民の支援でも臨床試験ができるようになったのは転換点だ」と話した。(杉浦奈実)