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 台風15号の影響で、首都圏の鉄道各社は9日、地下鉄を除くほぼ全線が始発から運転を見合わせた。午前8時前後から運転再開する路線が増えたが、山手線などJR各線は倒木や飛来物の影響で運転再開がずれ込み、通勤客らに大きな影響を与えた。

 JR東日本は8日、首都圏のすべての在来線で9日の始発から午前8時ごろまで運転を見合わせると発表した。首都圏で大規模な鉄道の計画運休が行われたのは、昨年9月の台風24号以来2回目。だが、実際には線路点検で倒木や飛来物などが見つかり、再開が遅れる路線が相次いだ。

 山手線は、品川―大崎駅間で沿線の木が線路内に倒れ、撤去作業のために運転再開は午前10時過ぎにずれ込んだ。東海道線や中央快速線などでも倒木や飛来物が見つかり、運転再開できない状態が続いた。

 東急や小田急、京王、東武、京急、京成、つくばエクスプレスもほぼ全線で始発から運転を取りやめたが、順次運転を再開した。東海道新幹線は、東京―小田原間の風速計が断続的に規制値を上回ったため、始発から午前7時40分ごろまで運転を見合わせた。

 早朝から駅に駆けつけた人たちは不安げな様子で運転再開を待った。東京駅では9日午前5時過ぎ、疲れ切った様子で床に座り込んだり、飲食店の開店を待ったりする人たちが目立った。

 ライブに参加するため東京に来ていた広島県の地方公務員、井上千穂さん(26)は、運転遅れのアナウンスに心配そうな表情を浮かべた。午前6時の新幹線の始発に乗り、そのまま仕事に向かう予定だったが、「正午過ぎには職場に着いていないといけないのに……。このまま動かなければ、同僚に仕事を頼みます」とあきらめ顔だった。

 中央線と総武線が乗り入れるJR高円寺駅(東京都杉並区)には午前7時半、改札入り口に運転見合わせの知らせが張り出され、構内に100人以上の人だかりができていた。スマートフォンで運行情報を確認する人や、折りたたみのいすに座り込む人もいた。

 運送会社で働く佐藤正広さん(45)は午前7時20分、高円寺駅に着いた。昨晩から運行情報をテレビやネットでチェックしてきたが、「過去の経験から夜中のうちに台風は抜けて、通常通りの運行になっているかと思っていた。台風で出勤に影響を受けるのは経験がない。不安です」。

 JRや私鉄、地下鉄が乗り入れる新宿駅(東京都新宿区)では、困った様子でスマートフォンを操作する外国人観光客の姿も目立った。JRの運転が午前8時を過ぎても再開されないと、ため息をついたり、「約束が違う」と駅員に詰め寄ったりする人もいた。