【動画】ミャンマー代表の正GKチョージッテット選手のもう一つの顔は=染田屋竜太撮影
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 2022年のサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選で、日本代表は10日にアウェーでミャンマー代表と対戦する。ミャンマーはFIFAランキングで135位(日本は33位)と格下だが、選手たちは日本戦に向け、意気込んでいる。

 監督は、欧州・モンテネグロ出身のミオドラグ・ラドゥロビッチ氏。就任して約4カ月で、直前まで中東のレバノン代表を率いていた。日本代表のオシム元監督や、名古屋グランパスで活躍したストイコビッチ氏と親交が深いという。

 ラドゥロビッチ氏はミャンマー代表について、「粗削りだが、才能ある選手もいる。レバノン代表がここ数年で急激に力をつけたように、近い将来、アジアでトップクラスになる期待が持てる」と話す。

 代表選手のほとんどがミャンマーリーグで活動するなか、よりハイレベルのタイリーグでプレーするアウントゥ選手は、小柄ながら足さばきがうまく、「ミャンマーのメッシ」の異名も持つ。ラドゥロビッチ氏は、「間違いなく才能を秘めている。タイリーグでなかなか出場機会を得られず調子を落としていたが、代表に合流して上向きだ」と期待する。

 同じくタイリーグで活動するFWチョーコーコー選手も攻撃の鍵を握る。攻撃の要、マウンマウンルイン選手はW杯予選、初戦のモンゴル戦でレッドカードを受け、日本戦は欠場。大きな痛手となった。

 最近までミャンマーリーグのヤンゴン・ユナイテッドでプレーした元Jリーガーの山崎(登録名は内田)昂輔(こうすけ)選手(31)はミャンマーのサッカーについて、「指導者の発言は絶対で、選手たちを厳しく管理する。全員で走り、接触プレーも怖がらないハードワークが特徴だ」と語る。ミャンマーでサッカー人気は高いが、国民の多くは英プレミアリーグをテレビで観戦する。山崎選手は「もう少し国内リーグの盛り上がりがほしい」と言う。

 監督も選手も、日本代表を「かなりの格上」と認め、「試合ができることがうれしい」と口をそろえる。ラドゥロビッチ氏は、日本代表の注目選手として、DFの植田直通選手とMFの柴崎岳選手を挙げる。「うまくて強い。なかなかボールを奪えないだろうが、積極的にプレッシャーをかけていきたい」と話し、「成長過程のミャンマー代表が日本のような強豪と真剣勝負できることは将来のためになる」と語った。

 ミャンマーは現在、雨期の最中で、スポーツ専門テレビ局でサッカーコメンテーターを務めるトゥントゥンウーさんは「雨期は天気が崩れやすく、グラウンド状態も悪い。常にそういう環境でプレーしていることは、ミャンマー代表には有利かもしれない」と指摘。さらに、「ミャンマー代表は日本の攻撃に耐えて耐えて、わずかな好機をものにしなければならない」と話し、「ミャンマー代表は日本戦を良い経験にしてほしい。若くて才能のあるクボ(久保建英選手)や、ドーアン(堂安律選手)のプレーは、かなりの刺激を与えてくれるはずだ」と語った。

強豪からのオファー断り

 ミャンマー代表のGKを務めるチョージッテット選手(29)は、ヒップホップ音楽の人気プロラッパーでもある。抜群の反射神経と判断力を持っており、8月までミャンマーリーグでチームメートだった山崎選手は、「彼が出ているとチーム内に安心感が生まれる。アジアでもトップクラスのキーパーだ。日本戦では、彼が『勝ちたい』という気持ちを前面に出し、チーム全体がハードワークを続けて、面白い試合にしてほしい」と話している。

 チョージッテット選手はミャンマーの体育専門学校でサッカー特待生として、10代初めから年代別代表の常連だった。だが、2013年に初めて代表から漏れた。落ち込んでいた時、友人だった有名ラッパー、イェインさん(33)から「音楽をしてみないか」と声をかけられたという。ちょうど、軍政から民政に移管し、社会の自由化が進んでいたころで、外国音楽が一気に広がっていた時期だった。

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