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【まとめて読む】患者を生きる・眠る「過活動膀胱」

 昼も夜も関係なく襲ってくる尿意と尿漏れ――。奈良県の西田章子(にしだ・あきこ)さん(78)は、そんな症状に悩まされていました。薬を使っても改善せず、量を増やせば副作用が問題になる。受診した奈良県立医大病院(奈良県橿原市)での治療が、改善に向かうきっかけになりました。

夜中に何度もトイレへ

 最初は、本当にわずかな量から始まった。

 西田さんは60代に入り、尿漏れを自覚し始めた。ぜんそくの持病があり、せきが出ると少量漏れる。だが、まだ強くは意識していなかった。

 気になり始めたのは、それから数年が経ったころ。きっかけのひとつは、膀胱(ぼうこう)がゆるんだ膣(ちつ)を通じて体の外に出る「膀胱瘤(りゅう)」になったことだった。

 膀胱瘤は、「骨盤臓器脱」と呼ばれる病気のひとつ。出産や加齢によるホルモンバランスの変化などもあり、女性は男性に比べ、骨盤の底にある「骨盤底筋」が弱くなってゆるみやすい。西田さんは、4回の出産を経験していた。

 この筋肉がゆるむと、膀胱や子宮などの骨盤内の臓器を支えきれなくなる。すると、ほかの臓器に膀胱が圧迫されるなどし、せきやくしゃみをしたはずみだけでなく、ひどくなると歩くだけでも尿が漏れるようになる。

 県内の総合病院で、手術を受けることにした。すると、尿漏れの症状はおさまった。

 「人生の楽しみ」と呼んできた夫婦での旅行に出かけたり、地域のコーラスグループの活動に参加したり。「平穏な日常が戻りつつありました」

 しかし、70歳を過ぎたころ、再び尿漏れが気になり始めた。

 しかも、量が増えていった。それに伴い、下着につける尿パッドのサイズも大きくなった。尿漏れが嫌で、トイレに頻繁に行くようになり、そのうち頻尿に悩まされるようになった。

 大好きだったバス旅行も、楽しめなくなっていった。「もし、車中で急にトイレに行きたくなったらどうしよう」と考え始めると、憂鬱(ゆううつ)になる。自然と遠出を控えるようになり、家の中や近所で過ごすことが多くなった。

 影響は、眠りにも及んだ。布団のなかでふと尿意を覚え、目が覚める。時計をみると、まだ深夜だったり朝方だったり。隣では夫の周士郎(しゅうしろう)さん(78)が寝息をたてている。起こさないように、そっと布団を抜け出して、トイレへ向かう――。そんなことを一晩に数回繰り返すようになった。

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