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 闇の奥からとつぜん現れたがっちりした老人――三田村要造!

 川島芳子がぶるぶる体を震わせる。緑郎は眉をひそめ、頭(こうべ)を垂れて「ま、まさかこんなところでお会いするとは……」とつぶやく。猿田博士もあわてて居住まいを正す。正人はルイの前に立ちふさがって庇(かば)った。

 三田村要造は銃口を順に全員に向けながら「やはり君たちを追ってきて正解だったな」と嘯(うそぶ)いた。

「火の鳥調査隊が上海を発った翌朝。犬山君が、記録写真に写る“楼蘭の笛吹き王女”を発見した! なぜかガイドとして紛れこんだとわかり……。こんなことは今までなかった! どうやら今回は一筋縄ではいかない変則的な時空のようだな。しかし、我々“鳳凰(ほうおう)機関”は必ず目的を達成するだろう」

 猿田博士がおそるおそる、

「貴殿はいま、時空とおっしゃったな。それはマリアさんのいう“七回目の世界”のことですかな。つまり貴殿こそ、火の鳥の力を使い、六回も時を巻き戻し、この戦争の結果を左右している首謀者なのか……?」

 すると要造は博士の言葉に鼻で笑い、

「ふっ、七回目なんかではない。王女が知らないことも多い。この女の言い方を使えば、この時空は、正しくは“十五回目の世界”なのだ。哀れな王女は、九回目以降しか記憶していなくてな」

 マリアがおどろき、うごめいた。苦しげに呻(うめ)き、要造をキッと睨(にら)みあげる。

 猿田博士が「そ、それは一体ど…

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