【動画】4年ぶりに来日公演する英国ロイヤル・オペラが記者会見。音楽監督で指揮者のアントニオ・パッパーノが抱負を語った=西正之撮影
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 英国ロイヤル・オペラが6日、4年ぶり6度目の来日公演を前に東京都内で記者会見した。次代の巨匠と目され音楽監督のアントニオ・パッパーノが登壇、「日本に来るたび大きな喜びを感じる。グノーの『ファウスト』とヴェルディの『オテロ』、とてつもなく素晴らしい2演目を堪能してほしい」と語った。

 1959年、英国生まれ。声楽教師だった父の元で生徒のピアノ伴奏をし、教会やバー、そして劇場など、多種多様な「現場」で音楽を身につけた。独バイロイト音楽祭でバレンボイムのアシスタントを務めるなどして、32歳でベルギー王立モネ劇場の音楽監督に。現在はローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団の音楽監督でもある。ルイージ、ティーレマン、ウェルザーメストら、現在の音楽界を牽引(けんいん)する多くのフロントランナーと同世代だ。

 クーベリック、ショルティ、ハイティンクといった巨匠が務めてきた英国ロイヤル・オペラの音楽監督に就任したのは2002年のこと。現在17年目で、間もなく歴代最長となる。

 今回上演する2作品について、こう語る。「『ファウスト』はドラマチックで、登場人物もそれぞれに個性的。『オテロ』はイタリアオペラの集大成で、コンパクトながら、シェークスピアのメッセージが濃厚にこめられた作品です」

 会見には、公演に出演するキャストも出席。「ファウスト」に出演するテノールのヴィットリオ・グリゴーロは「パッパーノは、人々に喜びを与えることの喜びを教えてくれる。彼がマジックを起こす場に居合わせられることがうれしい」と語った。さらに「指揮者は、私が好きなF1の世界で例えれば、エンジンでもドライバーでもなくタイヤのような存在。しっかりと地に足をつけ、正しい方向に運んでくれるのだから。彼はわれわれのタイヤなんだ」と話すと、パッパーノも破顔一笑。チームワークの良さをうかがわせた。

 昨年11月、23年までの任期延長が発表された。会見の質疑応答で「なぜこんなに続けられたと思うか」と質問されたパッパーノは「オペラを愛し、歌を愛し、言葉を愛し、劇場を愛する。それが何より大事。音楽監督は家長のようなもの。規範となる態度を示すことが重要だ」と答えた。

 オーケストラやキャストだけでなく、劇場関係者すべてに心を向けるパッパーノ。会見後の取材でこう語った。「私はこの17年間、劇場で働いてくれた人全員の顔を知っている。そしてトップとして誰よりもハードワークをする。その姿を見せるべきだと思う」

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 「ファウスト」は12、15、18日、東京文化会館▽22日、神奈川県民ホール。「オテロ」は14、16日、神奈川県民ホール▽21、23日、東京文化会館。問い合わせはNBS(https://www.nbs.or.jp別ウインドウで開きます、03・3791・8888)。(西正之)