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 乳がんの進行・悪化が早いのは、女性ホルモンによって量が増えるたんぱく質「COX7RP」ががん化して乗っ取られるのが原因だと、埼玉医科大の研究チームが突き止めた。11日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版で発表した。

 COX7RPは筋肉中のミトコンドリアの中で酸素呼吸の効率を高める働きがある。マラソンなどに必要な持久力を高めるのに役立つが、これががんに侵されると健康な細胞より速く増殖することをマウスへの移植実験で確認。もともとCOX7RPの働きが強い女性は進行が早く、手術しても再発までの期間が短くなることもわかったという。

 また、がんに侵された部位は血流が悪くなりミトコンドリアへの酸素供給が低下するが、それでもがん化したCOX7RPは少ない酸素を活用し、腫瘍(しゅよう)を大きくする力があることも分かった。研究を率いた同大ゲノム医学研究センターの井上聡・遺伝子情報制御部門長は「女性のがんの性質にかかわる根本的な発見で、新たな診断治療の開発に応用できる」と話している。(西堀岳路)