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 福岡県糸島市の高齢者施設で働いていた介護職員5人が、施設長からのパワーハラスメント(パワハラ)や退職金未払いがあったとして、慰謝料や退職金の支払いを施設側に求めた訴訟の判決が10日、福岡地裁であった。鈴木博裁判長はパワハラを認め、計約2800万円の支払いを命じた。

 判決によると、社会福祉法人「千草会」が運営する特別養護老人ホームの女性施設長が2008~16年ごろ、職員4人に対し「ばか」「言語障害」「格差結婚」「学歴がないのに雇ってあげてんのに感謝しなさい」などと発言。05年ごろには業務の報告を怠った1人にトイレの便器を掃除するブラシをなめさせた。

 鈴木裁判長はこうした行為を「職場の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的、身体的苦痛を与えるもの」として、不法行為にあたると判断した。

 退職金についても、「職員が引き継ぎをせず辞め、施設に迷惑をかけたので就業規則に基づいて不払いとした」とする施設側の主張を退け、支払いを命じた。

 施設の代理人弁護士は「判決文をまだ詳しく読んでいないので、コメントできない。今後については相談していく」と話した。(角詠之)