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 周辺には人気のない家が点在する。狭い道路を行き交うのは、復興工事のダンプカーだ。東京電力福島第一原発がある福島県大熊町。立地自治体で初めて避難指示の一部が解除され、まもなく半年になる。故郷に戻った住民は90人余り。暮らしの営みはまだ始まったばかりだ。

 4月10日に避難指示が解除された大熊町の大川原地区。真新しい町役場の近くに6月、50戸の災害公営住宅が完成した。入居する伏見明義さん(68)の日課は、飼っている猫5匹の世話だ。「避難生活を続けている間にどんどん増えちゃって。こまったやつらだ」と目を細める。月に数度、帰還困難区域にある自宅の片付けも続ける。

 伏見さんは小さなころ、住まいが次々と変わった。生まれたのは、大熊町から北に直線距離で約40キロの福島県相馬市。両親の離婚などで、そこから南に約80キロ離れた同県いわき市の児童養護施設に預けられた。以来、両親とは会っていない。

 小学校に入る前に結核にかかり、大熊町の県立大野病院に入院。院内学級に通いながら、約8年間を病院で過ごした。「院内の看護師や患者がまるで家族のようだった」と振り返る。

 中学卒業後、東京に働きに出た…

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