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 アフガニスタンの反政府勢力タリバーンとの和平協議を、トランプ米大統領が合意目前で中止した。そもそもアフガニスタンの紛争はいつから始まったのか。タリバーンはどんな組織なのか。米国が撤退したい理由とは。アフガニスタンを担当する乗京真知記者と米国を担当する渡辺丘記者が詳しく解説する。(イスラマバード=乗京真知、ワシントン=渡辺丘)

ここがポイント! 5つの論点
・米軍の攻勢が裏目に
・隣国パキスタンの影響力
・かさむ駐留コスト
・和平が実現しても残る不安
・国際社会の支援に難しさ

「史上最長の戦争」

 アフガニスタンの紛争が泥沼化している。反政府勢力タリバーンと、同国に軍を駐留させて戦う米トランプ政権は、1日までの協議で和平の基本合意に至ったが、7日にはトランプ氏が協議中止を宣言。和平の見通しは立っていない。

 東西冷戦下の1970年代から紛争が断続的に続くアフガニスタン。目下の紛争が始まったのは2001年のことだ。米国にとっては、ベトナム戦争を上回る「史上最長の戦争」となっており、泥沼化している。

 きっかけは、同年9月11日に米国で起きた同時多発テロだった。

 米国は、事件を首謀した国際テロ組織「アルカイダ」のビンラディン容疑者がアフガニスタンに潜伏していることを突き止め、当時のタリバーン政権に引き渡しを求めた。さらに、タリバーンの保護下でアルカイダが戦闘員を養成していたことも問題視した。

 だが、タリバーン創始者のオマール最高幹部は「(ビンラディン容疑者が)テロに関与した証拠がない」などとして、引き渡しに応じなかった。隣国パキスタンやイスラム聖職者もタリバーンへの説得に当たったが、奏功しなかった。

 「タリバーン政権は代償を払うことになった」

 当時のブッシュ大統領(子)は同年10月、テレビ演説で攻撃開始をそう宣言し、「テロとの戦い」を掲げた軍事行動に踏み切った。当時の小泉純一郎首相は「テロリズムと戦う今回の行動を強く支持する」と表明した。

 米軍は、首都カブールや南部カンダハルでタリバーンやアルカイダの軍事施設などを空爆。約2カ月後にタリバーンは敗れ、政権を追われた。同年12月、最大民族パシュトゥンのカルザイ議長が率いる暫定政権が発足し、世界各国が復興支援に乗り出した。

 だが、平穏は長続きしなかった…

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