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 東京電力福島第一原発事故による影響を追い続ける写真家、岩波友紀(ゆき)さん(42)の写真展「Blue Persimmons」が12日、大阪市北区の大阪ニコンサロンで始まった。飛散した放射性物質による見えない被害の「可視化」を試みたという。朝日新聞文化財団助成事業で25日まで。

 写真展のタイトルは英語で「青い柿」を意味する。汚染土などが入った青い袋がずらりと並ぶ様子が、出荷できず捨てられた大量の柿と重なって見えたという。ふるさとへの愛着から、今も福島で生き続ける人々や、雑草に覆われた公園などを写した作品74点が展示されている。

 写真は、事故発生の2011年から18年まで、いまだ放射線量の高い帰還困難区域が残る大熊町など13市町村で撮影された。この写真展の3枚を含む6枚の作品は17年度東京国際写真コンペティションで優秀賞を受賞した。

 岩波さんは事故の3年後に福島に移住。暮らしてみて初めて、放射性物質の人体への影響などについて様々な受け止め方があり、多くの人が自分の考えを口に出せずにいることを知った。「放射線は見えないし人体や環境への影響は誰もが未経験。いろんなものや思いが混在している福島を少しでも感じてもらえれば」と話す。(小川智)