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 シャープはデサントジャパンなどと共同で、手のひらを冷やして熱中症を防ぐ「グローブ」を開発した。シャープが長年培った液晶パネルの技術を応用した。主にランニングで使ってもらうことを想定していて、来春の商品化をめざす。

 開発したのは「TEKION暑熱対策グローブ」。リストバンドのようなグローブに入れた縦4センチ、横7センチの蓄冷材が、手のひらに通る太い血管を冷やし、効率よく体内部の「深部体温」を下げるという。

 液晶パネルの製造では、画面に使われる化合物を寒冷地でも凍結しないようにする必要がある。化合物の成分の配合を変えて融点をコントロールする独自技術を、蓄冷材にも使った。

 蓄冷材の温度は、冷えすぎて手のひらが痛くならない12度に設定。冷蔵庫や冷凍庫で冷やしてから装着すると、20分間は12度の冷たさを保って走れるという。長時間使う場合は、蓄冷材を交換しなければならない。今回の開発には2社のほか、トレーナー派遣会社「ウィンゲート」も参画した。

 シャープは一昨年に立ち上げた社内ベンチャー「TEKION LAB(テキオンラボ)」で、既存技術を生かした事業の展開を進めている。熱中症対策だけでなく、医療用細胞の定温輸送なども検討中だ。蓄冷材を活用した事業で2025年に売上高目標50億円を掲げる。(大川洋輔)