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 台風15号による高潮や高波、強風により、横浜市の沿岸部では大きな被害があり、被災から5日が経過した14日になってもなお完全な復旧には至っていない。

 横浜市金沢区では高波で護岸が数百メートルにわたって崩れ、臨海部の産業団地に海水が押し寄せた。同市港湾局は14日、海水が流れ込まないよう、破損箇所に土囊(どのう)を積む応急復旧作業を始めた。1週間ほどかかるという。

 周辺の浸水は約4平方キロメートルにわたり、約400社の社屋約750棟が被害を受けた。片付けや消毒作業に追われ、事業の再開まで数カ月かかると見込む業者もいる。ペット葬祭会社を経営する伊東正和さん(51)は「護岸が壊れたままでは、台風や大雨が来たらまた浸水してしまう。一刻も早く、前より高い護岸を造ってほしい」。

 横浜市中区の横浜港では、南本牧ふ頭と陸を結ぶ2本の橋のうち1本が損傷し、通行止めになっている。停泊中の貨物船(6736トン)が強風で流され、激突したためだ。橋の側面が破損し、電灯が何本も倒れている。国土交通省などによると、往来可能な橋にトレーラーが集中し、物流の一部に影響が出ているという。

 横浜市によると、同ふ頭は岸壁の水深が18メートルで、世界最大級の20万トン級のコンテナ船の受け入れが可能。現在も15万トン級の欧州定期航路の船を国内で唯一受け入れており、自動車輸出などに使われている。コンテナの取扱数は昨年、横浜港全体の約304万個のうち約122万個を占めた。

 同ふ頭に近く、市民らに人気の「本牧海づり施設」も管理棟などが大きく破損した。台風で波が激しく打ち寄せたためだ。復旧のめどは立っていないという。施設をよく利用するという60代男性は、自転車で施設を訪れ、「これはひどい」と大きく破損した管理棟を見つめていた。

 同ふ頭に近いコンテナ置き場では、積み上げられた多数のコンテナが崩れたが、13日までに復旧した。(太田泉生、斎藤茂洋)