[PR]

 日産自動車の西川(さいかわ)広人社長兼CEO(最高経営責任者、65)が16日、辞任した。カルロス・ゴーン前会長による会社の「私物化」を追及する急先鋒(きゅうせんぽう)だった西川氏自身の報酬不正問題が発覚。「ガバナンス(企業統治)改革を進めているのに、トップの報酬不正はまずい」との見方が社内で強まり、ゴーン前会長の逮捕から約10カ月で、早期の辞任に追い込まれた。

 ゴーン前会長の側近だった西川氏には、前会長の不正を止められなかった経営責任を問う声がもともとくすぶっていた。西川氏自身も「ゴーン後」の新体制による経営に道筋を付けた上でトップを退く意向を示してはいた。だが、西川氏にも報酬不正をめぐる批判がブーメランのように突きつけられ、本人にも「想定外」の急転直下の辞任劇となった。当の西川氏は9日の記者会見で、「どこでけじめをつけるか考えていたが、一番早いほうの節目だった」と述べた。

 急速に悪化した業績の立て直しや、仏自動車大手ルノーとの提携関係の見直しなど課題が山積する中、経営トップが不在となる。経営中枢の混乱が続いており、混乱の収拾が急務だ。

 日産は10月末をめどに後任社長を選ぶ方針だ。役員人事案を決める権限を持つ指名委員会が候補者選びを進めており、候補者を10人程度に絞り込んでいる。社内からの昇格では関潤(58)、内田誠(53)の両専務執行役員を推す声がある。

 次期社長が選ばれるまでの間は、山内康裕COO(最高執行責任者、63)が暫定的に社長兼CEOを代行する。山内氏がそのまま社長兼CEOに就く可能性もある。西川氏は当面、取締役としては残る予定だ。(森田岳穂)