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 蛙(かえる)も猫も鯛(たい)もいる。刺繡(ししゅう)が詩集の表紙を飾る。金沢三文豪のひとり室生犀星(1889~1962)の「動物詩集」がこの夏、生誕130周年を記念して復刊した。虫や動物への並々ならぬ愛情が息づく詩集。挿画と刺繡を手がけたのは「まだまだ勝手に関西遺産」で絵を担当するグレゴリ青山さん。虫嫌いなグレゴリさんが意を決して立ち向かった――。

 「私には無理、無理」。グレゴリさんは最初尻込みした。動物詩集は1943年、抽象表現で知られる版画家の恩地孝四郎(1891~1955)の挿画で世に出た。その後、2006年にも同じ挿画で出版。「すごすぎる」と敬う大御所の絵を前に荷が重い。でも大好きな刺繡が生かせればと引き受けた。実際「虫を無心でチクチク刺繡して楽しかった」。

 動物詩集といっても虫が多く、魚、貝、鳥、けものと計80点ほど描いた。表紙と章立ての扉は刺繡だ。うじの姿って? 毛虫といもむしはどう違う? 雪降虫って? グレゴリさんは画像検索を繰り返した。「ひゃあ~っ」。気持ち悪くて何度叫んだことか。

 そうだ! リアルではなく犀星…

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