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 スダチは今が収穫期。県産は国内シェアのほとんどを占めるが、高齢化などで担い手は減り、荒れた畑も目立つ。神山町の若手農家、佐々木裕之さん(38)は特産品を守ろうと、「海外」に目を向けた。独自に販路を開拓して個人輸出に乗り出し、収穫に外国人ボランティアの手を借りる試みも始めた。

 神山町鬼籠野(おろの)のスダチ畑。丸々とした深緑の実を、佐々木さんが一つひとつ丁寧に摘んでいた。4年前、保険会社を辞めて畑を継いだ。半世紀以上スダチを育ててきた祖父が病気になり、「畑を残したい」と思うようになった。

 農業経営の幅を広げようと、2017年に県立農業大学校の講座を受け、海外研修の機会を得た。選んだのはシンガポール。日本料理店が増えており、「スダチを使ってくれる店を見つけよう」と考えた。

 インターネットで繁華街のすし店を見つけた。東京の老舗の2代目、橋田建二郎さん(40)が営む「はし田寿司シンガポール」。地元のランキングで1位になるなど評判の店だ。同年11月の研修にあわせて食事の予約を入れ、前日、仕込み時間にスダチを持って店を訪ねた。「このスダチを使っていただけませんか」

 翌日、客として再訪すると、店…

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