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 エイズウイルス(HIV)の感染を告げなかったことを理由に病院に採用の内定を取り消されたのは違法だとして、北海道内の社会福祉士の30代男性が病院を運営する札幌市の社会福祉法人「北海道社会事業協会」に対し、慰謝料など330万円の支払いを求めた訴訟の判決が9月17日、札幌地裁であった。武藤貴明裁判長は男性の訴えを認め、社会福祉法人に165万円の賠償を命じた。

 判決で、武藤裁判長は「HIV感染の情報は極めて秘密性が高い。事実を告げなかったとしても、内定を取り消すことは許されない」と指摘。さらに「そもそも事業者が採用にあたって感染の有無を確認することは、特段の事情がない限り許されない」とした。

 訴状などによると、男性は2017年12月末、病院の採用面接でHIVの感染を伝えずに内定を得た。2週間後、病院側は男性が過去にこの病院で受診したカルテに、感染の記録があることを指摘。男性は感染を否定した。

 その後、男性は「職場で他者に感染する心配がなく就労に問題ない」という主治医の診断書を病院に提出。HIV感染は就業禁止や解雇の理由にならないと定めた厚生労働省の職場におけるガイドラインも送った。しかし、面接などで正確に回答しなかったことを理由に、病院側は昨年1月31日付で内定を取り消した。

 裁判で男性側は、感染の有無を…

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