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 7月にオープンした「南紀熊野ジオパークセンター」(和歌山県串本町潮岬)のセンター長を務めるのが、紀伊半島の地質に詳しい鈴木博之さん(79)だ。橋杭岩や那智の滝といった珍しい地形や美しい風景、そこに育まれた文化を紹介する施設。京都市の自宅から隔週末、特急くろしおに乗って「遠距離通勤」し、地質学者として来館者に半島の成り立ちを解説している。

 愛知県生まれ。通った中高一貫校の地学の先生が「話しぶり、授業内容もすべておもしろかった」ことで地学が好きになった。さらには口べたで人と接するのが苦手だったこともあって、「山で地層や岩石を相手にするのなら人と会わずに済む」と京都大学に進んで地質研究を始めた。

 当時、紀伊半島の地質調査はほとんどなされておらず、「いわば空白地帯」。探検部員としての探究心も手伝って、手つかずのフィールドに飛び込んだ。南から北へ谷筋を一本一本分け入って岩石の分布を調べ、地質図を作っていった。

 紀伊半島の地質研究の第一人者…

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