自称「日本一小さな観光協会」が、紀伊半島の山深い限界集落にある。和歌山県新宮(しんぐう)市の「嶋津観光協会」は、嶋津地区で生まれ育った平野皓大(こうだい)さん(54)が立ち上げた私設の観光協会だ。近い将来、消滅してしまいそうな故郷を人の記憶に残せないかと奮闘している。

 急坂に足を滑らせ、時に息が切れる山道を歩くこと約2時間半。最後の獣道を抜けると、円を描くように蛇行する北山川に囲まれた独特の景色が眼下に広がった。平野さんがガイドを務める「超・絶景ツアー」の終着地で、参加者たちが「これは登らな味わえんわ」とため息をもらした。

 高校卒業後、就職で都会に出た…

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